Tokyo Wind Symphony Orchestra 60th Anniversary

第54回定期演奏会 創立45周年記念公演

Tokyo Wind Symphony Orchestra 54th Periodic concert

6月9日(月)紀尾井ホール
 開場18:20 開演19:00


指揮   

汐澤 安彦

フルート 

デニス・ブリアコフ(ロシア)

フィンランド・タンペレ交響楽団


プログラム
スッぺ/「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
2008年吹奏楽コンクール課題曲 全5曲
 内藤淳一/ブライアンの休日
 糸谷良/マーチ「晴天の風」
 浦田健次郎/セリオーソ
 片岡寛晶/天馬の道〜吹奏楽のために〜
 井潤昌樹/火の断章

ブリッチャルディ/ヴェニスの謝肉祭
ドップラー /ハンガリー田園幻想曲
サン=サーンス/ 序奏とロンドカプリチョーゾ


チケット 全席自由
一般 4,000円 大学生 3,000円 高校生以下 2,000円
(当日券:一般 4,500円 大学生 3,500円 高校生以下 2,500円)

取扱い 東京吹奏楽団ホームページより直接販売
    東京吹奏楽団事務局 03-5287-2050
    電子チケットぴあ
    紀尾井ホール・チケットセンター 03-3237-0061
    横浜:(株)セントラル楽器 045324-3111
    新大久保:(株)ダク 03-3351-2211

主催  東京吹奏楽団
後援 (社)全日本吹奏楽連盟  
    東京都吹奏楽連盟
   (社)日本吹奏楽指導者協会 
   (財)日本音楽教育文化振興会
    日本フルート協会
協賛 (株)グローバル

第54回定期演奏会

デニス・ブリアコフ

コンサートの聴き所

Hearing place of concert

今、世界が注目する若き天才フルート奏者、D.ブリアコフ氏を迎え、夢のようなコラボレーションが実現。また2008年度の吹奏楽コンクール課題曲全曲演奏と吹奏楽ファンのみならず全ての方々に楽しんで頂けるプログラムを企画しました。
贅沢なひと時をお届けいたします。

副団長 槇本吉雄

 
紀尾井ホールのような中規模のホール(800席)で吹奏楽を聴けるのは、昨今の吹奏楽事情では大変珍しい事です。紀尾井ホールの音響は、室内オーケストラの演奏に最もふさわしい音響空間を創造するために、欧州の伝統的スタイルであるシューボックス形式をとっています。シューボックス形式 で800席ですと会場のどの場所にいても演奏者の細かい息使い、表情が読み取れます。音も体全体を包み込み奏者との一体感を味わえます。

今回の編成はFl3、Ob2、Fg2, BbCl8、Bass Cl1、Sax4、Tp4、Hn4、Tb3、Eup1、Tub1、S.Bass1、Per5の39名です。この編成は吹奏楽の透き通ったサウンドを創るのに最適な人数です。課題曲5曲の演奏はコンクールの大きな参考になるとともに、課題曲の持っている音楽性を感じる事が出来ます。指揮の汐澤氏と東吹の相性は抜群でありその音楽が持ってる可能性を十分に発揮できるでしょう。

管理人

曲目解説

Number decoding

ヴェニスの謝肉祭 Op.77・・・ブリッチャルディ

作曲者のブリッチャルディ(1818〜1871)はイタリアのフルートの名手。また彼はフルートの改良を試み自らキーも開発している。現在のフルートに彼の名前がそのまま「ブリッチャルディ・キー」として残っており、フルート奏者に多大な恩恵を授けている。

曲のタイトルはヴェニスの民謡「わたしのママ」で変奏曲の形式で書かれている。フルートの為の同名の曲としてはフランスのジュナンが作曲したものも有名である。(吹奏楽への編曲はブリアコフ氏)


ハンガリー田園幻想曲 Op.26・・・ ドップラー

ドップラー(1821〜1883)は当時ハプスブルク帝国の一部であった北東ガリツィアのレンベルク(現在はウクライナのリヴォフ)に生まれたハンガリーのフルートの名手。

やはりフルート奏者だった弟カールと共にヨーロッパ中を演奏して回った。フルートの為の作品も多数ありフルート奏者にとっては重要な作曲家である。当時は指揮者としても名声を博した。またリストの「ハンガリー狂詩曲」のオーケストレーションを行ったことでも知られる。

曲は2つのゆったりとしたラッサンに続いて、速い華麗な技巧を聞かせるフリスカの第3部という3つの部分からなる。(寺井尚行氏編曲)


序奏とロンド・カプリチョーソ Op.28 ・・・ サン=サーンス

サン=サーンス(1835〜1921)はフランスの作曲家で当時優れたオルガニストとしても活躍した。リストもサン=サーンスの演奏を聴いて「世界最高のオルガニスト」と絶賛した。弟子にはフォーレがいる。また音楽の分野のみならず様々な分野にも活躍し多才ぶりを発揮した。趣味も兼ねヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカなどを旅行し、それをヒントに作品も書いた。

様々な人と親交がありこの「序奏とロンド・カプリチョーソ」は「ツィゴイネルワイゼン」の作曲者でもあるスペインのヴァイオリンの大家サラサーテに捧げられた。曲は当時流行っていたスペイン風な雰囲気を持ち哀愁を帯びた序奏に続き躍動的なロンドに入り主題と主題の間にはアンダルシア地方のリズムの中、叙情的な旋律を持った副主題などがはさまれている。
本日はブリアコフ氏の吹奏楽への編曲によりお聴きいただく。 

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お客様の感想(アンケートから抜粋)


今回は課題曲目当てで行きましたが、他の曲も良かったです。
最後の曲という事もありましたが、「序奏とロンドカプリチョーゾ」が印象的でした。
ブリアコフさんのフルートの音色にとても素晴らしかったです。。
アンコールでの無伴奏での一曲は、ざわついていた会場を一変させるほどの感動を受けました。
東京吹奏楽団の前回のクリスマスコンサートでファンになって、今回で2回目ですが素敵な演奏ありがとうございました。次回のコンサートにも是非行かせていただきます。
17歳高校生


今日は前のコンサートに行った友達から「感動した」と、言われていたので来てみましたが、とても良かったです。
特にデニスさんの音がきれいで何といったら良いかわかりません。
18歳


やっぱり吹奏楽は楽しいです。演奏を聴いてこれからも吹奏楽をやって行きたいと改めて思いました。
20歳音大生


素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。フルート最高でした。吹奏楽大好きです。
高校生がたくさんいて皆さんが彼らの目標ですね。
身を乗り出して聞いている高校生(特に男子)の姿がうれしかったです。
これからもますますのご活躍を!                                                       56歳女性


すごく楽しかったです。明日からまたがんばります。                            19歳大学生


コンサートレポート


東京吹奏楽団
第54回定期演奏会 創立45周年記念公演

日時:6月9日(月)
会場:東京・紀尾井ホール
レポート:大橋雅美

■節度ある中にも深い情熱を伴った「大人」の演奏

 6月9日雷の鳴る大雨の中、紀尾井ホールで行われた東京吹奏楽団の第54回定期演奏会を聴きに行ってきました。この雨の中、客の入りも悪いだろうと思いつつ出かけてみたのですが、意外にも満席状態で座る席を探すのにも苦労しました。紀尾井ホールはとても綺麗でホッとできるようななんとも良い気持ちがするので好きです。当日は学生が多く、きっと第一部の吹奏楽コンクールの課題曲が目当てだったのでしょう。

 1曲目はスッペ作曲の序曲ウィーンの朝昼晩。吹奏楽版を生で聴いたのは久しぶりでしたが、曲調の変化をとても豊かに表現していました。テナーサックスの原ひとみさんのソロも、叙情溢れる歌心たっぷりで素晴らしかったと思います。

 吹奏楽コンクール課題曲はマーチ有り、難しい曲有り、高校生の作った曲有りでバラエティにとんでいてとても楽しく聴くことができました。曲の合間に団員が曲の解説などを挟みながらでしたので、学生たちは熱心に聴いていました。どの曲も指揮の汐澤氏の深い解釈とそれに応える東吹の楽団員の大胆で繊細なテクニック、音色、音楽性に惹かれました。個人的には3曲目の「セリオーソ」が妖しい感じで気に入りました。

 第二部は、ゲストのフルート奏者デニス・ブリアコフ氏が加わりました。レコード・CDがあれば帯に「超絶技巧」と付いていそうな言葉では言い尽くせない素晴らしい演奏でした。表現も豊かで何よりも音の鳴りがずば抜けている感を受けました。それに加え、27歳のイケメンの青年でした。ますます人気が上がるのでは…

ブリアコフ氏のアンコールではざわついていた会場が、一瞬にして彼の無伴奏曲に耳を奪われ、しっとりとした演奏で観客をより一層惹きつけました。ぜひまた来日の際には聴いてみたいと思います。

 私は東京吹奏楽団の演奏会は3回目ですが、汐澤安彦氏の指揮は初めてでした。節度ある中にも深い情熱を伴った演奏というかどっしりとした「大人」という印象を受けました。前回2回とは違うサウンドを楽しむことが出来ました。東京吹奏楽団も今後が楽しみで、より一層聴衆の心を惹くような演奏をもっと頑張っていってもらいたい。
  
次回の定期演奏会のゲストはベルリンフィルハーモニー管弦楽団の首席トロンボーン奏者オラフ・オット氏だということなので、楽しみにしています。

詳しくはバンドパワーへ LinkIcon